1.「貸与型」には3種類ある
それでは、これからは「貸与型」奨学金について学んでいきましょう。
「貸与型」奨学金は「第一種」と「第二種」と、
入学初年度に一度だけ借りられる「入学時特別増額貸与」という一時金の奨学金になります。
第一種 | 無利息(返済時に利息が付かない) |
第二種 | 返済時に利息が付く |
入学時特別増額貸与 | 返済時に利息が付く |
もちろん、それぞれ申し込みの条件がありますが、
「第一種」を利用できるのに「第二種」しか利用していなかったら
返済時の金額が変わってきますよね?
将来の負担を少しでも軽減するためには、
1 | 返済義務のない「給付型」 |
2 | 利息が付かない「貸与型」の「第一種」 |
3 | 利息が付く「貸与型」の「第二種」 |
の順に、自分が利用可能か確認することが大切です。
2.申し込みのタイミングは?
各奨学金の併用を考えている人は、申し込みのタイミングが大切になりますので
確認していきましょう。
その前に、予約採用について再度確認しておきましょう。
予約採用は
第一回目 | 5~6月頃 |
第二回目 | 10~11月頃 |
でしたよね。
「給付型」は予約採用でしか申し込みができないことは先に触れましたが、
「貸与型」の「第一種」は第一回目の予約採用でしか申し込みできません。
※「第二種」を利用していて、大学入学後に「在学採用」で「第二種」から「第一種」に
切り替えを申請できる機会はあります。
併用を考えている人は、この第一回目の予約採用で「給付型」・「第一種」・「第二種」の
併用を申し込んでおきましょう。
第一回目の予約採用で、それぞれ単独で申し込んでいた場合、
第二回目で追加をしようと思っても、予約採用では申し込みできなくなります。
大学入学後の「在学採用」でしか申し込みができないのです。
金額が心配な人は併用で申し込んでおいて、必要がなければ期限までに辞退すればいいのです。
併用を考えている人は、タイミングをきちんと確認して申し込みしましょう。
それでは、「貸与型」奨学金について確認していきましょう。
1.「貸与型」の「第一種」について
それでは、「第一種」について確認していきましょう。
まず、次の人は学校の成績は関係なく、申し込みをすれば全ての人が利用できます。
・住民税が非課税の世帯 |
・生活保護を受給している世帯 |
そのため上記の条件を満たして、「給付型」奨学金の利用が可能な人は、
「貸与型」の「第一種」を併用することもできるのです。
次は、上記以外の人の条件についても確認していきましょう。
1.申し込みの条件は?
じゃあ、住民税が非課税の世帯や生活保護を受給している世帯ではない人は
申し込みできないの?
そんなことはありません。
条件を満たせば、申し込むことができます。
「貸与型」の「第一種」の申し込み条件は、
1 | 学力基準 |
2 | 家計基準 |
になります。
それでは、1.学力基準について確認していきましょう。
1.学力基準
a | 高校等の1年から申し込みまでの平均成績が3.5(5段階評価)以上の人 |
b | 高校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人、又は科目合格者で 日本学生支援機構(JASSO)の定める基準に該当する人 |
次は2.家計基準について確認していきます。
2.家計基準
家計支持者(父母、父母がいない場合は代わって家計を支えている人)の収入金額が
選考の対象となります。
※収入・所得の目安は、世帯人員、就学者の有無等によって異なりますので、
最新情報は日本学生支援機構(JASSO)のホームページで確認が必要です。
家計の年間所得の上限が決まっています。
年間所得とは、年収とは異なり、家計支持者の収入や所得金額などから
特別控除額を除した金額になります。
また、家計基準を満たしているからといって
必ず奨学金利用が採用されるわけではないことを頭に入れておいてください。
そのことも踏まえて、奨学金の併用を考えましょう。
1.学力基準については、住民税が非課税の世帯や生活保護を受給している世帯ではない人は、
5段階評価で3.5以上ないと第一種の利用は厳しくなります。
2.「第一種」の月々の金額は?
それでは、「第一種」奨学金の利用が可能な場合、月々いくら受け取れるのでしょうか?
進学する大学・自宅通学かそれ以外によって、最高月額は変わってきます。
最高月額は、
国公立・自宅通学で45,000円、自宅外通学で51,000円、
私立・自宅通学で54,000円、自宅外通学で64,000円になります。
また、最高月額以外に選択できる月額が増やされましたので、その中から選ぶことも可能です。
※家計支持者の収入によって最高月額が利用できない場合がありますので、
必ず日本学生支援機構(JASSO)のホームページなどを最新情報を確認してください。
4.「貸与型」の「第二種」について
それでは、「第二種」奨学金について確認していきましょう。
1.申し込みの条件は?
「第二種」の利用についても、
1 | 学力基準 |
2 | 家計基準 |
があります。
それでは最初に、1.学力基準について確認していきましょう。
1.学力基準
下記a~dのいずれかを満たす人になります。
a | 高校等の学業成績が平均水準以上と認められる人 |
b | 特定の分野において特に優れた資質能力があると認められる人 |
c | 大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる人 |
d | 高校卒業程度の認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、又は科目合格者で 日本学生支援機構(JASSO)の定める基準に該当する人 |
「第一種」に比べると、ゆるやかな基準となっていますね。
次は、2.家計基準について確認していきましょう。
2.家計基準
「第一種」と同じように、
家計支持者(父母、父母がいない場合は代わって家計を支えている人)の
収入金額が選考の対象となります。
※収入・所得の目安は、世帯人員、就学者の有無等によって異なりますので、
最新情報は日本学生支援機構(JASSO)のホームページで確認が必要です。
「第二種」も家計の年間所得の上限が決まっています。
「第一種」よりも上限の年間所得は高くなっています。
2.「第二種」の月々の金額は?
11種類の貸与月額(20,000~120,000円)から、それぞれ自由に選択できます。
※私立大学の獣・薬系では20,000円(140,000円)、歯・医系では40,000円(160,000円)の
増額貸与を受けることができます。
年間所得によって、選択できる月額が決まっているわけでもなく、11種類の中から自由に
選択できます。
5.入学時特別増額貸与奨学金
入学初年度(編入学の場合は入学年次)のみ、500,000円を上限に
一時金として借りられる利息付の奨学金です。
この奨学金は第一種、第二種とは異なった家庭の収入基準が設けられています。
では、入学時までに利用できるのか?
答えは”NO”です。
入学時と言っていますが、こちらの奨学金も、ほかの奨学金同様、
進学後の支給になっています。
入学金支払い時にこの奨学金を当てにしていて用意ができていない、
なんてことの無いように注意しましょう。
先に述べた奨学金の返済についてを参考にしていただき、
返還開始後無理なく返還できる金額を選びましょう。